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『スキップとローファー』はお袋の肉じゃがなんです 感想

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 高松美咲先生の『スキップとローファー』読んだ感じです。読んでから『カナリアたちの舟』の作者だって知ってびっくらこきました。カナリアの方はシリアスなSF作品。突如未確認飛行物体が現れて、知らない天井だ、、、になった主人公と...という話。面白いので要チェキ。

カナリアたちの舟 (アフタヌーンKC)

カナリアたちの舟 (アフタヌーンKC)

 

 本題。関係ないけど本題って打とうとしたら予測変換の最有力が本田翼だった。LINEモバイルのCMが毎回可愛いくてつい見ちゃう。オープンサプライズって言って手を組んでうるうるしてるところ、あまねくモニターで常に映しとくべきだと思いながらリピート再生を繰り返している今日この頃、本題はどのようにお過ごしでしょうか...。

 まあ可愛いもほっこりも最高だよねということで、あーありがとうございますーありがとうございますー。今!『スキップとローファー』を3巻まで頂きました。こんなんなんぼあっても困らんからね!

 『スキップとローファー』は駅もない石川県のはしっこのほうで生まれ育った岩倉美津未が、東京の進学校に入学したところから始まるハイスクールドラマ。

 こう書くとなんかありきたり〜な設定という感じもするんだけど、この作品はそれが良いところ。ままあることを丁寧に丁寧に描いてる。特別じゃ無くていい、俺は肉じゃがが食いたかったんだ。母、年1くらいでしか肉じゃがなんて作らなかったけど。カラオケに行く一連のシーン大好きで、みつみの気持ちの上下ひとつひとつが伝わってきて面白い。初めてのカラオケ、でもまだ馴染んでないクラスメイト達と一緒、慣れない都会の雰囲気、そこに幼なじみからの電話...みたいな。とにかく感情に寄り添ってる。

 感情に寄り添った描写は魅力的なキャラクターを生むわけで。みつみはじめ出てくるキャラクターがみんな良い。みんな人間臭いのよ。というか人間臭さを出してきたところからキャラクターが動き出すのよ。志摩たっ、志摩達の躍動する姿を、皆さんに見せたいね。ていうか僕が見たい。

 本当に永遠に読んでいたい作品だと思う。3巻になって人間関係も深まりを見せてて、素顔を見せたりなんだりして仲良くなってく様子とか見るのめちゃくちゃ楽しい。一分一秒でも長くこの作品に触れていたい。

 そして甘さだけじゃない。ポップコーンに塩とキャラメルがあるように、この作品にもスパイスとなる部分がある。それは人間臭さの話になるんだけど、キャラクター達の抱えるものが共感しやすいし、ちょっと身に詰まるところもあったりする。特にミカの小ささはよーくわかる。3巻で志摩の本格的な掘り下げが始まったぽいので、ここから更に甘さとしょっぱさのダブルバインドやで。

 というわけでまあとっても良い素晴らしいマンガなので、是非読んでみて欲しいです。多様性が叫ばれバリュエーションの氾濫が止まらない昨今、たまにはお袋の味を思い出すのも良いでしょう。