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ジャンプ感想などなど

打ち切りを否定した『アンデッドアンラック』は無敵

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 というわけでアンデラ、打ち切り戦線から見事脱し最近は巻頭カラーなんかも貰っていてとても安心しています。

 ジャンプで読んで単行本も買うくらいには好きなので、いっちょ打ち切りの否定者アンデラの無敵っぷりを紹介してやるからみんなで見てやろうぜ!ということでラランドさんとこのサーヤさんが出てきたところで軽い紹介をば。ネタバレは多分なし。

 

緻密・丁寧・壮大

 アンデラはこの手の漫画の中でも稀と言える程に丁寧かつ緻密に作られている。その話のために簡単に設定を紹介する。

 この漫画に登場する能力者は「否定者」と呼ばれ、それぞれが特定の何かを否定する能力を持っている。

 例えば主人公の1人であるアンディは「死」を否定する「不死」の能力を持つ否定者。もう1人の主人公である風子は「運」を否定する「不運」の能力を持つ否定者。又、能力には発動条件や、条件の達成度如何によって強弱が変わるものがあり、例えば「不運」ならば風子の身体の一部を他の人間が触ることで発動し、触れた面積などによってその強弱は変わる。

 対して、敵対勢力とも言えるのが「世界の理」である。例えば腐敗や季節といった、この世に生きる限り絶対的に存在するルールがこれに当たる。これに否定者同士のバトルも加わり、いよいよ話が膨れ上がっていく。つまりこの作品は、否定者と世界の理という超大なスケールで描かれる週刊少年漫画だ。

 不死や不運など何かを否定する能力というのは目新しく、また敵の能力を戦闘の中で分析し相手が何の否定者なのかを探る頭脳戦もアンデラの魅力。

 アンデッドアンラックの稀な部分は、こうした条件を全く見落とさずに能力バトルを展開し、且つ理に敵った能力の工夫や連携を描いている点だと思う。

 話が進むに連れ能力者は増え、スケールも非常に大きなものになっていくが、その中で整合性が取れなくなっている点を少なくとも僕は見つけられていない。それどころか能力を上手く連携させどのバトルも新しい展開を見せてくる。週刊でやっていてこの完成度、相当やばいんじゃないかと勝手に思っている。恐らく連載を始める時点でかなり細かくストーリーの構成を考えているんだろうけれど、そうだとしても広げた風呂敷の大きさに対する精緻さと、丁寧に展開を組み上げて毎週発表しているっていうのが凄すぎる。それでめちゃくちゃ面白い。最高。ビバ、アンデラ。

 現在、キャラクター同士の関係性や世界観の展開も進行し、まさに作品に脂が乗り始めている時期なので、ハチャメチャおすすめです。というか主人公のアンディがマジでかっこよくて色気ムンムンのドえろいハイパー主人公なのでその姿を見れるだけでもアンデラは良いものです。推し。