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話題作『君たちはどう生きるか』今更感想!と供養!人間の弱さと強さに迫る傑作

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 今回はちょっと別で使いたかったやつをアレンジしてのせます。日の目を見よ、我が拙文…

 

 今回取り上げるマンガは、『君たちはどう生きるか』。この漫画は去年刊行されると瞬く間に話題になり、老若男女問わず読まれる作品になった。この作文を書く時点で漫画版が170万部を突破しており、原作小説の重版も進んでいる。あまり大きな話題作が飛び出さなかった2017年の漫画業界の中で、この作品はとびぬけた話題を呼んだ。

  • なぜ話題になったか

 

 では、なぜこの作品はこうまで話題になったのか。まず大きな要因は、年齢の高い層の読者を取り込めたことにあるだろう。この作品は約80年前の人気小説を原作としているためか、最初は50~60歳代の読者からの反響が大きく、そこから年齢の若い人達の間でも人気に火が付いた。さらに言えば、人気小説をベースにした作品のため、普通の漫画よりも普段漫画を読まない層の興味を引き、受け入れられ易い。

 

 このように、若い漫画読者だけでなく、幅広い年齢、非漫画読者にも読まれたことが、話題になった最も大きな要因だろう。

 

  • 感想

 

  まず、その大胆な紙面構成に目を見張った。この作品は漫画作品なのに、見開きに活字しかないページがある。それも何ページも。これは、叔父が書いた手紙を、主人公が読んでいる、という演出である。普通の漫画作品なら、この手紙の部分は、例えば叔父が手紙を書いている姿を回想風に描き、その上にモノローグを乗せるとかになるのだろう。しかしこの作品はそうはしなかった。活字だけのページを大胆に使い、とびきり印象に残るシーンとして成立させている。これは非常に面白い試みだと思った。

 

 そのページ配分に最初のうちは若干戸惑いリズムが崩れる感も否めない。また、手紙の字がデジタル表記なため、何とも言えない味気無さがある。スペースなどもあり難しいだろうが、せっかくの漫画作品なので手紙の字も手書きにして欲しい、と思った。

 

 しかし、終盤にある演出で、その考えはひっくり返された。正確には、手書きの字を使った漫画にしかできない表現をしているため、よくやってくれた!という少々おかしなカタルシスを感じたのだ。だが、この試みは本当に面白く、貴重だと思う。この漫画をただの漫画作品とさせない理由は、間違いなくこの部分にある。

 

 また、主人公のコペル君が味わう、自分の弱い部分と向き合う苦しみには、誰もが少なからず経験し、共感できる真実味を持っている。そしてその苦しみを味わいつつも、叔父の激励を受け乗り越えていくコペル君の姿には非常に心打たれる。人間の弱さと強さ、それを見事に表現し、立ち上がる姿をこうした内容もまた、様々な人に受け入れられた要因だろう。

 

 およそ漫画作品とは思えない演出が目を引くかと思えば、非常に漫画らしい演出もあり、そのメリハリもこの漫画の魅力の一つだと思う。まだまだ漫画の表現は進化していくのだろうと、小説を原作にしたこの作品に思わされた。

どんな人も一度は読んでほしい、そう思わされる作品だった。要チェキ!

 

 

 

  てなわけで、お堅くなりましたし、時間もあんまなかった中書いたしで、文のひどさがあほほど目立つんですけど、自分の感情的に、どうしてものせたかったので載せたのでした。次からはもっとライトにいくぜ!次があればな!HAHA!