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『宝石の国』の感想は共有したくなる

  読む、読まない、読む、読まない、読む...。

 ってことで花占いの結果読むことにしたのは『宝石の国』。

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アニメも一昨年やってて、相当話題になってたた記憶。

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 アニメだと彩り鮮やかで見栄え良いなあ。フォス可愛くなってるし。

 5,6年ほど前に1巻だけ読んだ僕だが、その時は「なんやこれよう分からん」で読まなくなってしまったこの作品。ただ雰囲気ある作品だったせいか、何となく心に沈殿していたモヤモヤをスルーしながら、今はアニメ効果による宝石の国ブームから2年。

 最新10巻が最近出たことも後押しし、全巻購入と相成った。

 読んでみると昔はあんまり楽しめなかったはずの1巻から面白い。年月経つと"人"ってのは"変わるッ"...。

 そんな訳で、感想。人と共有したすぎるこの感情。恋とは全然違うエモーション。perfume、曲全然知らんけどなんか好き。

 

絶望、絶望、絶望...

 

 世界を取り巻く絶望感が余りに大きい。徹頭徹尾絶望が支配する世界観がこちらの心をゴリゴリ抉る。宝石の国ってこんな作品だったのかよ。美形の宝石達がキャッキャウフフじゃねえの?

 綺麗な表紙とシンプルでお洒落なタイトルからは想像もつかないこの世界観。一言でまとめるなら「この世界は残酷だ...。そして...とても美しい。」みたいになる。あんまり他作品の言葉でまとめんの良くないね。進撃おもろい。

 残酷な世界とは言え、基本的に宝石達は砕かれようが何しようが死なないのに、月人が来るたびに覚える絶望感は一体なんなんだろう。しかも回を重ねる毎にそれが大きくなる。これはなぜ、と考えると、そういえばこの漫画で宝石達がきちんと月人に勝ってるのあんま見てないなというのはあると思う。負けてるとも言えないんだけど、被害が出てたり先生頼みだったりする。作中でも何度も明言してるけど、宝石達は脆く弱い存在だと植え付けられてるからこそ月人襲来が脅威たり得るというか。実際にアンタークが連れ去られた時は相当きつかった。

 また、体内組織の図太さで色んな変化が可能なことがフォスの特徴であるのに、変化=希望かと言うとマジで全くそんなことはなく、むしろ強く賢くなる度にフォスの抱え込むものが大きくなりすぎて、更に事態が複雑になるという救いのなさ。

 特にラピスの頭がついてからは話の展開が早いうえ複雑さは加速度的に増していっててやばい。明らかになる事実らしきものと何すくみか分からないほどの思惑が絡み合ってる。宝石の国、今が1番面白く、絶望感ある。

 

今が1番おもしろい宝石の国

 なんか上手くまとまらない。もっと宝石達のアイデンティティとか関係性とかフォスの自壊とかキャラクター方向に言いたいんだけど言葉で説明できる気がしない。からここで切るけど、読めば読むほどのめり込む作品なのは間違いない。作品世界を取り巻く空気が暗澹としてるし、回を重ねる毎にそれが増していくのが辛い。辛いのに読んでしまう。これが宝石の国の沼か。

 要するに言いたいのは、頭だけ触れて今まで読まなかったのをめちゃくちゃ後悔してます。アニメ、観ます!